『ザ・キング・オブ・ファイターズ’97 上巻～終わりなき夏の最期に～ 下巻～660年目のふたり～』

1997年11月、12月発売。
ノベライズは基本的にゲームの発売日に合わせて発行するものだが、『KOF』シリーズに関しては、ネオジオCD版の発売日が基準になっていた。具体的にはその年の12月に刊行するのが目安だが、毎年夏に稼働するシリーズのノベライズを４か月後に刊行するのはスケジュール的にかなりタイトなため、可能なかぎり早い段階でゲームをプレイし、ネタを拾い上げ、SNKから資料をもらったりプロットの確認などをしてもらわなければならない。
『’96』執筆の際は、資料としてMVS版のカートリッジを借りられたのだが、それはまずファミ通のほうで攻略用に使ったものを回してもらうという形だったため、ぼくが自宅でメモを取りながらプレイできたのは稼働からかなり経過したあとのことだった。そのため、この年からは自腹でカートリッジを購入し、稼働と同時に自宅でプレイ、すべてのエンディングを見てからどのチームを中心に書くかを決めるようになった。

それなりの年齢のファンのかたならご記憶だろうが、あの当時、『’97』でオロチ編が完結するという事前情報はいっさいなかったため、ぼくも初めてエンディングを見た時は途方に暮れた。ともあれ、ゲームのほうが完結する以上、描かなければならない要素は大量にあるのだが、反面、当時のファミ通ゲーム文庫はページ数の制限が厳しかったため、泣く泣くカットせざるをえなかった部分が多く、今でも忸怩たる思いがある。

ザ・キング・オブ・ファイターズ '97 上 終わりなき夏の最期に (ファミ通文庫)

ザ・キング・オブ・ファイターズ '97 下 660年目のふたり (ファミ通文庫)