『士道残影』 作品解説
もともとは、『幕末浪漫第二幕 月華の剣士 月に咲く華、散りゆく花』のノベライズのために書いたもの。というと商業用の原稿のように聞こえるが、実際には、ノベライズの企画が通るだろうと勝手に決めつけて書き始めたものの、編集部から「無理です。やっぱり和風のゲームのノベライズは売れないんですよ」と企画自体却下されたため、使いどころがないまま10年以上放置していた原稿の一部である。しかし、『第二幕』のノベライズはあくまでゲームのストーリーをなぞる予定だったため、新キャラを出すのなら刹那、黄龍が最優先であり、どのみち小次郎の出番はほぼありえず、企画が通ったとしてもまるまるカットするはめになっていただろう。
個人的には、『サムスピ』とはまた少し軸の違う伝奇テイストのあるシリーズなので、たとえば舞台を現代に移した続編を作ることもできるような気がしないでもないのだが、とりあえずはSNKの再興を見守りたいものである。