Twitter愛の劇場 20160224 Act01
これは、2016年2月24日、卒業シーズン目前の母校を訪れた草薙京の一日を克明に記録したものである。『KOF14』開催を前にした青年の、恍惚と不安に揺れる心境を読み取っていただきたい。
「次の大会前に、ひさびさに母校を訪ねてみたんだが……いったい何がどうしちまったってんだ? 二足歩行の森のどうぶつたちがいやがるじゃねえか」
「……とても面と向かっていえる雰囲気じゃねえ……下駄箱あるけど、おまえらみんな裸足じゃん! なんていった瞬間、いっせいにこいつらの野性が俺に牙を剥きそうで……」
「でもまあ、考えてみりゃあ、すでにKOFにもライオンとか参戦してたしな。何ていったっけ、あの黒いライオンの、ぐ、ぐる……? いや、まあいいよな、俺たちみんな哺乳類、差別するこたぁねえぜ」
「ってことで、現在の我が母校の様子はいかがかな? この学校の出身者で一番有名な草薙先輩が表敬訪問に来たぜ♪ ……すいません、見栄張りました。当校出身じゃなくて、今も一応ここに在籍してます。休学中です」
「ほほー……しばらく見ないうちに小綺麗になってるじゃん。机も新しくなって……。やっぱ在校生はみんなケダモノどもばっかりだが、ま、バラエティ豊かでいいよな。俺たちみんな地球代表、地球意思地球意思」
「……しかしアレだな、こいつら自前の毛皮着てるくせに、さらにその上から学ランとはなかなかハイレベルな着こなしだぜ。俺も一応制服用意してきてるし、ここにいる間だけでも着替えてみるか……?」
「こいつでどうだ!? ……いや、やっぱねーわ。こんな襟もとのキツいカッコしてられねえよ。そもそも俺のカラーじゃねえっていうかよ……もっとこう……フリーダムな感じ? 欲しいよな」
「へへっ……短ランとはいかねえけど、やっぱ俺はこういうスタイルじゃねえとな。前のボタンを全部留めてるアニマルどもにナメられたくねえぜ。っていうか、ケダモノは火を恐れるっていうしな!」
「さーて、ケダモノどもを我が炎で恐れおののかせたところで、さっきから気になってたんだよ……高校で給食ってのもアレだけど、何だ何だ、俺の好物の焼きそばパンじゃねーか。いっただっきまーす!」
「食うもの食ったらさっさと下校だ。俺、いつもそうしてたんだよなー。よくよく考えたら、午後の授業受けたことねえや。――さーて、さっさと制服を脱いで駄菓子屋へGO! 遊びは終わらんぞーっ!」
もはや何のために母校を訪れたのかまったく判らないこの体たらく……だが、元祖主人公チームのリーダーが飛ばし始めるのはここからだった!
――つづく――