公式SS解説15

ss15「喧嘩百段！　これがナニワの男意気じゃィ！」
初出：2007/07/06　『MIA』公式サイト

アーケード版『MIA』に電撃参戦を果たした『ファイターズヒストリー』シリーズの名物男、溝口誠のストーリー。某少年マンガにインスパイアされたとおぼしい濃すぎるキャラ＋コテコテの関西弁ということで、かつてのSNKならこういうキャラを作り出しても不思議ではないと思わせる何かがあるのだが、実際に溝口を生み出したデータイーストは、大阪ではなく東京（杉並区荻窪）にあったソフトハウスである。
ともあれ、本来ならスマートでスタイリッシュな『KOF』キャラとは水と油ほどに馴染まない強烈な個性の持ち主なのだが、そこを逆手に取り、あれこれと面白い掛け合いの作れたキャラではある。

ちなみに、プロットの段階では、溝口は某フライドチキンチェーンの有名な人形をかついで道頓堀から上がってくることになっており、それを見たトラキチのサラリーマンたちが、「オッサンようやった！　コレで今年のペナントレースはいただきじゃァ！」と拍手喝采するシーンがあったのだが、溝口がその球団のファンだという設定があるのかないのか確認できなかったのと、実はもう道頓堀の底にあの人形は沈んでいないらしいという情報をどこかで見かけたため、このネタを使うことはやめた。
その代わり、ラストのほうである意味ラッキーな某空手家を登場させた。SNK的にいえば、「ヘルバウッ……」は「何!?」の枕詞なのである。
また、溝口が渡米のためのテクニックを教わった謎の覆面男とは、同様の方法で日本からサウスタウンまで渡った実績を持つ、あまり忍んでいない如月流の忍者のことである。