Twitter愛の劇場 20151227 Act02
執拗なキムの説教から逃れるため、整形するという禁じ手に出たビリー。あまり整形になっていないような気もするが、ビリーの無駄な努力はまだまだこれからだ!
「あとは服を着替えて……そうだな、ボトムスはこいつがいいか」
「ノンウォッシュデニムってのがアレだが、まさかギースさまの片腕であるこの俺がこんなチープな恰好をするとは誰も思わねえだろうぜ……ふふふ」
「そしてトップスはこいつ! 趣味の悪い刺繍入りのブルゾンで決める! これでバンダナをはずせば……」
「リョウ・サカザキの完成だ! もはやどこにもビリー・カーン成分ゼロ! これならキムにも見抜けねえよな」
「妹思いの闘う兄つながりっていうか、妹とまったく似てない兄つながり? ……まあいいだろ、ンなことは。は、恥ずかしいじゃねえか。いわせんなよ」
「で、これが背中の刺繍だ! 最強の龍! 正直俺にはこのよさが判らねえが、まあいいや。ここを禁煙マークにしたら俺だってバレちまうしよ」
「さーて、キムの目を恐れる必要のなくなった俺にゃ、当然だけど怖いものなんて何もないぜーっ!」
「今すぐ帰るからな! 待ってろよ、リリィ! イメチェンした兄さんと、2日遅れの誕生日パーティーだぜ! ヒャッハーッ!」
その頃リリィは、音信不通の兄の部屋を訪れ、その荒れ放題の様子に驚いていた。
「あの綺麗好きな兄さんが、部屋がこんなになるまで留守にするなんて……」
「また性懲りもなく、ヒャッハーッ! とかやってるんだわ。帰ってきたらたっぷりお説教してあげなきゃ……」
キムの説教を回避した兄を待つのは、決して避けられない妹のお説教……49歳、ビリー・カーンの受難は終わらない……。
――完――